抜け毛の原因に合わせた薄毛治療の方法や患者の心得について

一口に抜け毛と言ってもその症状や原因は様々です。似たような状態でも原因が異なっていれば治療方法も大きく変わります。適切な治療を受けるには抜け毛の原因を正しく理解しなければいけません。方法を誤ると却って抜け毛が促進される可能性があるためです。

髪の毛のボリュームを回復させるためにも、抜け毛の原因や治療方法の詳細を学びましょう。

抜け毛の原因は人によって様々

一般的には髪の毛が抜け落ちて減少した状態を薄毛と言います。抜け毛も髪の毛に限って言うことが多く、髪の毛のボリュームが減った時に抜け毛が多いなどと表現するのが普通です。抜け毛の原因は多種多様であり、似たような状態でも人によって原因がまったく異なるのも珍しいことではありません。

抜け毛は中高年層の男性に多く起こるイメージがありますが、これは加齢によって男性ホルモンの分泌量が多くなったためです。男性ホルモンは髪の毛の抜け毛を促進させる作用があるため、分泌量が増えるほど髪の毛が薄くなると言えます。

ホルモンバランスの変化は性別や年齢を問わず起こるので、女性や若い人が男性ホルモンの増加による抜け毛に見舞われるケースも少なくありません。頭皮を不潔な状態で放置するのも抜け毛が起こる原因とされています。頭皮に汗や垢などの汚れが溜まると、その一部が毛穴に入り込みます。

汚れで毛穴が詰まると毛根の働きが弱くなり、遂には髪の毛が抜け落ちてしまうのです。汗や皮脂の分泌量が増えるほど頭皮が汚れやすくなりますが、偏食やストレスを溜め込むなどの不摂生な生活を続けている人は頭皮が汚れやすいとされています。

また、洗髪のやり過ぎで頭皮を保護するための皮脂まで洗い流してしまい、潤いのない乾燥肌の状態を作ってしまうのも抜け毛になる原因の一つです。頭皮を不潔にすると毛穴が詰まるだけではなく、皮膚病を患うリスクが増大します。

皮膚病で禿げてしまうケースも少なくないので注意が必要です。

薄毛治療は専門医に任せるのが賢明

育毛剤や発毛剤など様々な名称の製品が売られていることから、薄毛治療は自分でもできるのではと思いがちです。

髪の毛を増やすようなイメージがありますが、実際は新たに発毛させる効果はほとんど無いと言えるでしょう。市販の育毛剤や発毛剤は毛根に栄養を与える物なので髪の毛を太くする効果は期待できますが、すでに発毛機能が破壊された毛根を再生する効果はありません。

また、抜け毛の原因が分からないままで市販の製品を闇雲に使うのは体に良くないと言えます。髪の毛を増やそうとしてセルフケアを行ったものの、却って抜け毛が進行する事態に陥る可能性は否定できません。育毛剤や発毛剤の成分が頭皮に残ると汗や垢と混ざり合って汚れになり、毛穴が詰まる原因になります。

特に男性ホルモンの増加による抜け毛は市販の製品で治すことはできません。このような抜け毛はホルモン治療を受けなければ状態を改善できないので、素人療法は行わずに専門医による治療を受けるのが賢明な選択と言えるでしょう。

また、どのような原因で生じた抜け毛もまずはその原因を特定しなければ適切な対処はできません。自分がなぜ抜け毛になったのかを理解するためにも専門医に検査してもらうことが重要になります。原因が特定できた後も専門医による薄毛治療を選び、決して素人療法を行ってはいけません。

薄毛治療は髪の毛や頭皮の状態に合わせて少しずつ方法を変えなければいけないデリケートな治療行為です。

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処方された薬剤は本人以外が使ってはいけない

薄毛治療は抜け毛の状態になっている部分を確認しながら投薬を行います。髪の毛のボリュームに合わせて少しずつ薬剤の成分を変更するので、途中で勝手に治療を中止してはいけません。状態が改善しそうになっている時に治療を止めてしまうと、却って抜け毛が促進されることがあります。

また、処方された薬剤は決して本人以外が使ってはいけません。抜け毛の原因が同じでも患者の体質はそれぞれ異なります。薄毛治療で処方される薬剤は患者の体質を踏まえた成分割合になっているので、他の人が使うと有害になるおそれがあります。

特に男性ホルモンの増加による抜け毛を対象にした薄毛治療の薬剤はホルモンバランスに影響するので、誤って使うと非常に危険です。

似たような原因でも他人に処方された薬剤は使わず、手間がかかっても本人が検査を受けて処方してもらう必要があります。

医師任せにせず自分でも髪の毛を労わるように心がける

薄毛治療は専門医に任せるのが正しい対処法ですが、新たな抜け毛の予防は毎日の暮らしを見直すことで十分に可能です。

頭皮の汚れの他、疲労やストレスの蓄積によって新陳代謝が低下しても抜け毛が促進されます。髪の毛のボリュームを保つには健やかな暮らしを営むのが効果的な方法と言えるでしょう。頭皮を保護する皮脂を残す程度に洗髪する他、十分な休息を取って疲れを残さないように心がけます。

ストレスを溜め込むとそれだけ抜け毛が生じやすくなるので、適度に発散できる方法を考えることも忘れてはいけません。飲酒や喫煙は毛根に悪い刺激をもたらすので避けるべきですが、急に止めるのも却ってストレスを増やす結果になるのでさじ加減が重要になります。

パーマや髪染めは頭皮に強い刺激をもたらし、使用する薬剤が毛穴の詰まりを引き起こします。薄毛治療で良い結果を得るならこのような行為は避けるのが無難です。何らかの病気を患って治療を受けている場合はそちらを優先し、完治してから改めて薄毛治療を受けます。

治療の効果が出るまでは長い時間を要する

薄毛治療はその多くが効果が出るまで長い時間を要します。じれったいと感じるかもしれませんが、毛根の機能を再生させるのは容易ではありません。個人の体質も治療の良し悪しを左右するので、同じ治療を受けているのに自分はなかなか効果が出ないと焦るのは禁物です。

また、治療中は頭皮を良好な状態に保つことも重要なポイントなので、衛生や体調の管理には細心の注意を払うように心がけます。

薄毛治療は患者の根気が何よりも重要

薄毛治療で良い結果を得るには抜け毛の原因を正しく特定することも重要ですが、患者が根気強く治療を続けることが第一です。

薄毛治療は効果が出るまで時間がかかりやすく、目立った変化が起きにくいので諦めてしまうケースも少なくありません。髪の毛のボリュームを回復させるまではどんなに時間がかかっても諦めずに続けるという、強い意思を持つことが患者に求められる姿勢です。