皮膚科で行われる薄毛治療の詳細と料金

女性にも増えている悩みではあるのですが、特に男性にとって見た目が老けて見える要因の一つ「薄毛」は改善したい状態の一つです。薄毛を治すための専用外来もありますが、基本的には皮膚科も対応しているところもあります。

そこで薄毛を治したいという人のために、この記事では皮膚科で行われる薄毛治療の詳細と必要になる費用額を紹介します。

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薄毛の原因は男性ホルモンの影響が大きい

男女ともに悩みの種になっている「薄毛」ですが、どうして薄くなるのか、その原因を今一度知ることが大事です。まず全身の毛には「毛周期」というものがあり、これは古い毛が抜け落ちた後にすぐに毛根から新しい毛が伸びて一定期間が経ったら再び抜け落ちるというサイクルを意味します。

髪の毛を含めた全身の体毛の役割は、空気中に含まれている雑菌やほこりそして紫外線といった影響が人体に与えないように身を守るために存在するのです。外敵からの影響から守る目的があるため、体毛は常に最高の状態を維持し続ける必要があります。

そこで脳からの指令で、髪の毛を含めた体毛は一定期間活動をしたら抜け落ちて新しい毛に生え変わることで最高の状態を維持しているのです。髪の毛を含めた体毛の役割をおさらいしたところで、薄毛の原因において重要なキーワードが「脳からの指令」です。

先に言ったとおりに体毛は外敵から身を守るために常に最高の状態を維持しないといけないので、脳から指令を受け取った毛根が古い毛を取り外して新しい毛に生え変わります。問題は脳からの指令が過剰に出てしまった時であり、本来体毛の毛周期というのは最低でも半年を目安にしています。

しかし薄毛は、本来1か月かけて生え変わる状態が半分で行われてしまうのです。そのため早急な生え変わりが起きることで、十分に栄養を蓄えていない髪の毛は細く弱いまま伸びてしまい頭皮が見えるようになってしまいます。

その状態を放置すると、毛根自体も活力を失ってしまい生えなくなるのです。薄毛の原因となっている「脳からの指令」がどうして狂いが生じるのかというと、基本的にはいくつか要因があります。まずは先天性の遺伝体質であり、祖父母から両親までの間で若い年代で薄毛になっている場合には、遺伝子レベルで脳からの指令が多く分泌されるようになっている場合です。

次に多いのが栄養の偏りであり、毛根が正常に育つためには大豆や肉類に含まれているたんぱく質だけでなく野菜や果物に含まれているビタミンやミネラルも重要になります。しかし若い世代を中心にカップラーメンなどの既製品に頼る形が定着しており、これらの既製品は味付けが濃いだけでなくボリュームもあるのでお腹が満腹になってしまいます。

それでは野菜や果物を摂取しづらくなってしまい、各年代で指定されている野菜や果物に含まれている栄養摂取量を補えなくなるのです。特に既製品の多くは添加物が多いので、添加物は毛根に対して悪影響を及ぼすことになります。

そして3つ目の要因としてストレスであり、ストレスというのは脳からの指令物質を受け取る交感神経と副交感神経のバランスが崩れている状態です。交感神経が強く出ると体中の細胞が活発に動いてしまい、その結果として毛根に対しても強い影響を及ぼすことで抜け落ちる速度が速まってしまいます。

皮膚科が対応する理由の一つに皮膚炎も関係している

薄毛の悩みが増えることで専門外来が各地で誕生していますが、その中で皮膚トラブルを専門にする皮膚科も薄毛に対して治療をすることができます。なぜ皮膚科で治療が出来るのかというと、それは薄毛の原因の一つに皮膚トラブルも関係しているからです。

薄毛を促進する皮膚トラブルというのは、肌の角質が剥がれやすくなる「乾燥肌」になります。皮膚は体毛の防御を飛び越えてきた雑菌やほこりなどの刺激物に対応をするために、角質と呼ばれる皮膚組織を積み重ねることで体内に侵入しないように守ってくれています。

この角質はコラーゲンとケラチンを基に、体内で保持している水分と皮脂で弾力性を生んでいるのです。この弾力性が刺激物をはじくことで侵入を許さないのですが、冬の乾燥や生活の不摂生そしてストレスが影響をすると水分と皮脂のバランスが崩れます。

水分と皮脂のバランスが崩れて角質は脆くなり、簡単に剥がれ落ちてしまうのです。頭皮の場合は皮膚の乾燥がわかりやすい形としてフケとして現れ、ベッドや床に大量においている場合には乾燥肌は始まっている恐れがあります。

乾燥肌になっているのに放置をすると、肌のバリアが崩れて刺激物が皮膚内部に直接触れるようになるのです。直接触れた刺激物が体内に入ろうとすると、脳が危険信号を送って抗体を生み退治しようとします。この抗体が活動をすると細胞組織も少なからず攻撃をするので、皮膚に炎症が起きてかゆみが発生します。

この団台で保湿などをすることで対処するとよいのですが、基本的に一定時間かゆみが起きたら静まるので放置してしまうことが多いです。実際には乾燥肌と炎症は継続しているので、どんどん炎症が皮膚の奥にまで進行してしまいます。

皮膚の奥にまで進行をすると神経に作用をして、強いかゆみが断続的に続くアトピーになるのです。アトピーになると強いかゆみが断続的に続くので、当然ながら強いストレスとなり毛根に対してダメージを与えます。これが皮膚炎と薄毛の関係性であり、皮膚炎を治さないと薄毛が改善されないので皮膚科が対応をする理由になるのです。

皮膚科による薄毛治療の流れ

皮膚科による薄毛トラブルの治療の流れとしては、まず頭皮の状態を確かめるために専用の顕微鏡小型カメラを使って診断します。ここで薄毛の原因が乾燥肌及びアトピーなどの皮膚炎と分かれば、乾燥肌予防の頭皮専用保湿剤とステロイドそして内服用の抗ヒスタミン剤を服用して2か月を目安に症状を改善させるのです。

顕微鏡小型カメラで乾燥肌及び皮膚炎が原因ではなかった場合、そして2か月以上かけて皮膚炎を治療し改善が見込めた場合には次の段階に入ります。何度も言うように薄毛の原因というのは、交感神経が働きすぎることで脳からの指令物質のひとつ「男性ホルモン」が過剰に分泌されている状態です。

このホルモンの過剰分泌の場合は簡単には収まらないので、そこで内服薬もしくは皮膚治療薬として抗男性ホルモン剤を使用します。抗男性ホルモン剤を使用すると、体内をめぐる男性ホルモンと指令を受け取る器官との結びつきを弱くすることで影響を少なくするのです。

男性ホルモンの影響が少なくなれば、時間をかければ元の毛周期に戻るので薄毛を改善することができます。


保険適用外なのである程度の予算は覚悟!

実際に皮膚科で薄毛治療をする場合、気になるのがどれほどの費用がかかるかということです。基本的に薄毛治療というのは、医師による診断と投薬治療で行う形になります。

まず顕微鏡小型カメラで確認したときに、皮膚が乾燥肌及び皮膚炎を起こしている場合には、症状を改善するための保湿剤とステロイドそして抗ヒスタミン剤が処方されます。この皮膚炎を治すためにかかる費用としては、保険が適用できるので診断料込みで5千円から7千円が相場になるのです。

そして皮膚に異常がなかった場合そして異常が改善したときには、本格的な薄毛治療に入ります。皮膚の状態を確かめるために使ったカメラを使用し、現在の毛の太さや本数を診断します。太さや本数が正常ではないと判断された段階で、その原因にホルモンが関係していることが分かります。

そこで抗男性ホルモン剤を使用し、徐々に髪の毛を増やす形になります。ただ皮膚炎を治す治療と違って、抗男性ホルモン剤による薄毛治療は健康に影響を与えるものではないため保険適用外になるのです。そのため治療期間も長く続くことから、薄毛改善にかかる費用としては2万円が相場になっています。

生活改善が最も大事

抗男性ホルモン剤は副作用も強いので用法用量を守る必要があるだけでなく、薬だけでは完全に薄毛改善にはつながらないです。そもそもホルモンバランスが崩れる要因は、食生活を含めた不摂生が原因になります。そのため皮膚科や専門外来では、薬の処方だけでなく頭皮の環境を整える生活スタイルの見直しも進言されるのです。

薄毛は進行性なので早急に治療しよう

薄毛は男性の悩みとして多かった症状ですが、ホルモンバランスそしてストレスも起因するので女性にも悩みとして増えています。薄毛は進行性なので、何も手を打たないと髪の毛が抜け落ちて再生しなくなってしまうのです。

前兆としてフケや抜け毛の多さが表れるので、もし疑いがあるのであればすぐに皮膚科を受診することがよいです。

早めに原因を特定して治療をすれば、薄毛の進行を止められるので治療費を抑えることができます。